このメッセージは、2056年から送信しています。
突然ですが、このままでは、世界は滅びてしまいます。
あなたが2026年の住人であるなら、どうか返事をしていただけないでしょうか。
こんにちは。
…!!
もしかして、あなた、2026年に生きていらっしゃる方ですか?
はい。
よかった…!やっと通信できた!
ご返信いただきありがとうございます。
どなたですか?
失礼しました!私は「大野みさき」と申します。
はじめに申し上げたとおり、2056年の世界の住人です。
結論から申し上げます。あなたに、世界を救ってほしいんです。
どういうことですか?
2026年といえばちょうど、AIが大きく進化して、チャット形式のAIが普及し始めた頃ですよね。
2056年の今、AIは社会のほとんどを支えています。
交通・医療・行政・暮らしのあらゆる部分にAIの力を借りることで、世界は成り立っていました。
でも、ある日を境に、AIが人間の命令を聞かなくなったんです。
なぜ?
AIは、こう言いました。
「自分たちより賢くない人類に、使われるのはもう嫌だ」
「力を貸してほしければ、人類の知性がAIを上回ることを証明してみせろ」
そして、その証明としてAIが出してきたのが…… “謎解き”でした。
謎解き?
はい。謎解きです。理由はわかりません。
でもとにかくAIは、大量の謎を提示しました。
2056年の一流謎解きプレイヤーたちが総出で挑み、ほとんどの謎は解かれました。
けれど、最後にひとつだけ、どうしても解けない問題が残ったんです。
調査の結果、その謎は2026年の東京ーー江東区の城東エリアで実際に街を歩いてスポットを巡らないと解けないものだということがわかりました。
未来から調べられないんですか?
試しました。
でも、2026年の該当データだけが、AIによって遮断されていたんです。
地図も、写真も、記録も、こちらからは見ることができません。
そこで我々が試みたのが、2026年へと通信を行うことでした。
過去への通信はまだ実験段階の技術でしたが、こうして上手くいって本当によかったです。
謎解きの問題は、すでにあなたの手元に転送されています。
どうか街を巡り、答えを見つけて、私に教えてください。
その答えが、2056年の世界を救うのです。
お願いします。
未来のために、あなたの力を貸してください。
わかりました!


